桜の花が舞う頃に



あの人はもう今はこの世にいないけれど。


それでも私はこうして何十年の間、


桜の花が舞う季節にこうして


この桜並木を歩いている。

昔とちっとも変らないこの景色は


ここだけ時間が止まっているよう。


ここを出ればもう知らない世界が広がっているのに。


桜並木だけは今も変わらず私達を見守っていてくれてる。


ふと足元を見るとサッカーボールがこちらに近付き、
車椅子のタイヤにぶつかった。


「すみませーん!!ボールお願いしま~~す!」