桜の花が舞う頃に



翌日、愁夜さんの葬儀は静かに執り行われ、


あっという間に全てが終わってしまった。



陸斗先生の送りを断り、一人家路へ向かう。


冷たい風が頬を突きさす。

手袋をしていない手は真っ赤になっていて、自由に動かせないほど。


あまりにも寒いのでコートのポケットに手を入れると手があるものに触れた。


うまく使えない手でそれを引っ張り出すと、それはあの時の先生からの手紙だった。


“約束するよ、桜の舞う頃に、必ず迎えに行くと――”

愁夜さんは手紙にそう書いてくれた。


だったら..




私..待ってるから


愁夜さんが迎えに来てくれるまで


ずっとずっと


待ってるから――――



輝き続ける指輪を見ながら


そう誓った。