桜の花が舞う頃に



いつだってそうだ。

望んだものは何一つ手に入らない。


たった一つ、俺に残されたものも


それすら手に入らないなんて―――



「愁夜さん?どうしたの?」

彼女と連絡を取ると駆け足で来てくれた。


風が冷たい。

もうどうにでもなりそうだ。

それならそれで構わない。


この子が手に入らないのなら―――



「ごめん、突然電話して」