「嘘、だろ?」
「嘘じゃないさ、多分な」
そう言ってまた一口、グラスに口をつける。
「でも何でお前のお袋さんと美麗の親父さんが一緒に死んだんだ?」
「それは分からないんだ。警察からは二人が同級生で付き合っていたという事までは出ていたらしいんだけど」
そこで沈黙が流れる。
ただの沈黙ではない。
お互い考えているのだ。
母親と美麗の父親の関係を―――
「まさかとは思うけど二人は不倫とかしてたってことか?」
「それはないと思うけど」
「言いきれない、だろ?」
「あぁ」
あの時の兄の怒った顔は、底知れぬ恨みみたいなものを感じた。
何故あそこまで怒る必要があるのか。
聞きに行く必要があるな。
決心した時、携帯電話が鳴りだした。


