桜の花が舞う頃に


行くなら早い方がいい。

でも...一人で行くのはどうしてもできない。


「ホントに大人か、俺」


情けない事に、いい大人が一人で親父に会いに行けない。


仕方ない、アイツを呼ぶか..

先程しまった携帯電話を取り出し、アドレスからま行を捜す。


ピッとボタンを押すと一気に繋がる。

何回かのコールの後


「もしもし」

いつもの声が少しだけ俺に安心感をくれる。

「あ、俺だけど」

「知ってるよ、何?」

?気のせいか?元気のないような...


「あのさ、お前今から時間ある?」

「うん、私もあんたに会いたかったの」

「...じゃあもうちょいしたら迎えに行くから、うん、あぁ」


パタンと閉めると窓の施錠を確認し、急いで保健室を出た。

勿論、不在のプレートをドアに付けて。




「聞いたよ、美麗から」