桜の花が舞う頃に



すっかり先生のお世話になった私は
結局近くまで送ってもらう事になった。


「ここから先本当に一人でいいの?」

「はい、すみません。先生のスーツ汚してしまって」

「いいんだよ、そんな事。」


先生の顔が街灯に当たっていて輝いて見える。

とても穏やかな笑顔。


「じゃあまた明日」

「はい、さようなら」


「先生!」



歩き始めた先生をつい呼びとめてしまった。



でも知ってほしい。


なんて私が言えた事じゃないかもしれないけれど。


「どうかした?」

振り向いた先生はいつもの笑顔。

でもこれだけ知っていて欲しいの。



「きっとその人も後悔してるはずです」

きょうやくんを死なせてしまったことを。

「え・・」

「今でもきっとどうしたらいいのか分からないで
生きていると思います」


今でもどう償えばいいのか分からないまま過ごしている事を。

「鷹野さん」

「きっと、その人だって罪を償いたいはずです」


先生、私本当にそう思ってるんだよ?

私...

「ありがとう」

先生はそう言い終えると振り返って再び歩き始めた。