桜の花が舞う頃に



思わずそう出てしまうほど、
綺麗な景色が広がっていた。


町全体を見下ろせるほどの丘からは

全てが今オレンジ色に包まれている。


まるで空と一体化しているよう。


「だろ?ここが僕のお気に入り」


先生と並んで街を見下ろす。


「こういう景色見てると何て言うかな、
自分の悩みごとなんてちっぽけだって思わない?」

「そう、かもしれません」

「なんて俺が言える立場じゃないけどね」

「え?」

「この前も言ったけど。弟はある事件で亡くなった」

知ってます、私のせい、ですよね。


「そして母は...それからすぐに自殺を図った」

「え?」

「突然だったんだ。理由は何も分からない」


大きな棘が心臓に突き刺さる。

私の...

私のせいでお母さんまで亡くなったの?