私と色違いの、裾に赤い金魚柄が入った淡い空色の浴衣から出た手足は、白くて折れそうに華奢なのに、
しゃんと伸ばした背筋と、真っ直ぐな眼差しは、とても力強くて。
そう。
その姿はまるで、太陽を凛と見つめ続ける、向日葵の花を思わせる。
向日葵は、どんなに強い日の光に焼かれたって、太陽を見つめるのを絶対やめない。
とても、
とても、強い花――。
綺麗だね、ハルカ。
外見だけじゃなく、真っ直ぐでひたむきなその気持ちが、とても綺麗。
「そっか……。もう、決めたんだね?」
ハルカは、ピンクの頬を朱に染めて『コクリ』と頷いた。
ああ。
とうとう、この日が来た。
とうとう、この日が来てしまった。
私は、賑やかな祭りの人波の流れの少し先を歩く、『彼』の背中にゆっくりと視線を送った。



