それにしても、直也って、お魚、綺麗に食べるよねぇ。 と、焼きサンマ定食のサンマを、まるで作法でも会得しているのかと思うほど綺麗に食べる様子に見ほれていると、不意に直也が視線を上げた。 「あ、そうだ」 「え?」 メガネの奥の黒い瞳は、心の中を見透かされそうで、意味もなくどぎまぎしてしまう。 なんだろう、この感じ。 一番近いのはそう、 『後ろめたさ』 なにが、後ろめたいの? 別に、後ろめたくなるようなことなんか、してないのに。