『大丈夫だよ。 きっと伊藤君だって、あーちゃんのこと嫌いじゃないって、 ほら、行ってきな!』 ポン! と、優しい風が、励ますように私の背中を押し出した。 ハルカ……。 そこで、見ていてくれているよね。 きっと、不甲斐ない私に、やきもきしているかも。 込み上げる熱いものを押しとどめようと、振り仰いだ夜空には、綺麗な丸い月と満天の星屑。 そこで、 ハルカが笑っているような気がした。