好きだと、言って。①~忘れえぬ人~


「ハルカ。私、行って来るよ」


私はもう一度、墓前に手を合わせて、ゆっくりと立ち上がった。


まだ、自分の未来図が、はっきりと見えるワケじゃない。


まだ、ほんの夢の途中だけど、


それでも。


今なら私は、伊藤君に思いを伝えられるような気がする。


だから。


そこで見ていてね。


ハルカ――。