私は一週間ほど前、伊藤君に一通の手紙を送った。 概略は、 『大切なお話しがあります。 もしも、お時間が取れるようでしたら、神社のお祭りの日に会えませんか? 夜の七時。 神社の境内でお待ちしています』 と言うような、用件のみの、極短い手紙だ。 この短い文面の手紙には、更に短い返事が送られてきた。 『了解しました』 前置きも何もなく、これだけがポツリと書かれていて、その文面を見たとき、思わず笑ってしまったのは誰にも内緒だ。