好きだと、言って。①~忘れえぬ人~


私は一週間ほど前、伊藤君に一通の手紙を送った。


概略は、


『大切なお話しがあります。


もしも、お時間が取れるようでしたら、神社のお祭りの日に会えませんか?


夜の七時。


神社の境内でお待ちしています』


と言うような、用件のみの、極短い手紙だ。


この短い文面の手紙には、更に短い返事が送られてきた。


『了解しました』


前置きも何もなく、これだけがポツリと書かれていて、その文面を見たとき、思わず笑ってしまったのは誰にも内緒だ。