ハルカの心臓は、すでに動いているのが不思議なくらいに弱っていて。


もう、手術に耐えられるだけの体力も残されてはおらず、


再び大きな発作に見舞われれば、ほとんど助かる見込みはないと、そう、言われていた。


それでも、


私も、浩二も、信じていたかった。


それがどんなに低い確率でも、


例え、自然の摂理に反しているとしても、


奇蹟は再び起こると、


起こるはずだと、


そう、信じていたかった――。