諦めも要領も悪くて、強欲。 そいう意味では、私と浩二はよく似ている。 「さすが、いとこどうし!」 胸に熱いモノが込み上げてきて、私は軽口を叩いて空を振り仰いだ。 夜空に浮かぶのは、ちょっとスリムな月と、綺麗な星屑。 明日になったら、一番で直也に電話をかけよう。 「生まれて初めて救急車に乗っちゃったー!」 そう言って、驚かせてあげよう。 「亜弓?」 「え……?」 直也の声が聞こえた気がして、私は慌てて周りを見渡した。