『ばっかじゃないの』の冗談を、愛があるつもりでご主人はツッコミがてら言ったんだけど、

真面目なトーンで、『主人ちゃん言い方きついね』とグループの子に言われ、ハっとした。


そう、【長所と短所は一緒】、【時と場合と人による】――

ご主人のゆるいジョークは、新しい友人を前には“意地悪”になるようで、

ご主人の性格は相方だと好感を持たれるけど、新しいメンバーには不満にとられる訳だ。

冗談を慎むことを学ぶ瞬間だった。自分を見つめ直すきっかけになった。


今のグループでは、《ネタが通じないんだ》と思ったご主人は、次第にウズウズしていた。


ツッコミを意地悪と捉えられるからツッコミをやめるよう努力し、

時折ウケ狙いの話をすれば、全てのボケを『天然だね』と言われる始末。

ラブリーな天然発言ではなく、単純にわざとボケたことを分かってもらえず、ほしいリアクションは貰えなかった。

これが相方ならネタを被せてくるのに、新しいメンバーたちは分かってくれなかったんだ。


一、二年は痛い感じにおふざけサン担当だったご主人は、

【昨日と何も言動を変えていないのに、周りの子の性格が違うとキャラクター設定が変化】し、

新しいクラスでは天然キャラにされてしまい、珍しくストレスを感じていたみたいだった。


ご主人は天然は存在しないと思っていたし、そもそも自分は天然ではないし、

ウケ狙いなのにツマラナイ反応すんなよと、とにかく内心凹んでいたようだ。


【受け手が違えば、同一人物でも性格が変わる】ファンタジーを体感し、

三年生になってから、【自分の性格は他者に作られる】なんて、ご主人も俺も初めて知ったんだよね。