心地いい海風が頬に触れる。 寄り添っていた体を少し離して 私はしばらく海風にあたっていた。 「・・・。」 視線を彼方のほうに戻した。 私の視線に気がついた彼方は、ふんわりと笑う。 鞄からノートを取り出して、 私は砂浜に座り込み 彼方に分かるように書き始める。 彼方は私の隣に座って、 私が書くことを 黙って見つめている。 私は彼方に自分の気持ちを話し始めた。