「そっか~。
・・・きゃっ!」



いきなり俺から離れようとする柏木。



「どうした?」



「わ、わたし、せ、先生の腕の中で寝てたの?!」



「ああ。」



「ごめんね。重かったよね。
あー何で寝ちゃったんだろう!ごめんね。先生。」



「大丈夫だから落ち着け。」



焦りすぎ。


可愛い。



「落ち着いたか?」



「うん。雷雨だいぶ弱くなったね。」



「そうだな。」


さっきより雷雨は落ち着いていた。



「じゃあ、わたし、そろそろ帰るね。」


帰り支度をはじめようと俺の中から抜けようとする柏木を
離さないように引き寄せる。



「・・・先生?」



「ん?」



「・・・離して?」



「なんで?」



「帰らなきゃ。」



「柏木は俺の家にお泊り。」



「え?




えーーーー?!」


驚きが隠せない柏木に笑いが込み上げてくる。



「な、なんで?」



「唯先生に頼まれたから。」



「え?なんて?」



「雷雨で危ないから澪を先生の家に泊めてください。って。」