何も答えられなかった。


反論したかったけど、
これが事実・・。


私の忘れたい過去なんだ。



「・・・・。」



「答えないって事は、
やっぱりそうなんだー!
荒れてるねぇー!」



「てことは、柏木さん、
愛されてなかったんだね!
かわいそう・・・。」





・・・言ってほしくなかった。


私が一番避けてた事実、愛されていなかったって事。
ずっと心の片隅にしまっておいたのに・・・。



「違う相手と駆け落ちする両親とかやばっ!」



「柏木ママ、超垂らしじゃん。どんな色気使ったのか知らないの?」


違う!本当のお母さんは優しくていつも笑ってて大好きだったの。



「パパも悪い女に捕まったね。てか捕まえたって方が事実か。」


お父さんはいつも私達の為に働いて、休日は私とずっと遊んでくれてて大好きだったの。




「てことは、柏木さんもその血を引いてるんだから男の落とし方知ってるよね?教えてよ!柏木さん♪」


私、そんなの知らない。

恋だってついこの間までしたことさえ無かったんだよ・・。


先生に醜いって思われちゃったよね・・。

・・・もう、いいや。

いっその事学校辞めよ。

もうこの事実が知られた以上、普通には生活できない。

・・・先生にも嫌われたと思うしね・・・。