わかってるけれど


つい、触れてしまう。







本当はもっと触れたい。









だけど、理性が俺をとめる。






ただの幼なじみなんだよ、と。








だから、"手"だけ。









「…じゃ、洗い終わるまでに考えておいて」







スッと頭に置いていた手を

はなすと歩夢に背を向けて

流しにむかう。









いそいで

食器を洗い終えて水で手を

流しながら一生懸命ソファーで

頭を抱えながら考えている

歩夢を目だけで見る。







水を止めて濡れた手をタオルで拭いてから歩夢の横に座った。






「…決まった?」





「早いよ、はる君。いじわるっ」



と歩夢が少しだけ頬を膨らませた。






「……あと三秒。」




小さく笑ってまた

ちょっとだけ意地悪言ってみる。






「え、ま!待ってよ!」





歩夢が俺の腕を掴みながら言う






「さーん……にーい…
 …いー…「ゆ、遊園地!!」



1、のところで

歩夢の大きな声が部屋に響いた。