「………美味しい!!」
そう言って歩夢が顔をあげる。
「…なら、よかった。」
笑顔でそう言うと歩夢は
直ぐに俺から目を反らした。
しばらく無言で食べていると
「…美味しかった、ごちそうさま。」
と歩夢がスプーンを置いた。
「ごちそうさま」
と続いて俺も食べ終える。
食べ終えた皿を片付けようとすると
「…あ、私やっておくよ。」
と歩夢が言う。
「俺がやるよ。そのかわり明日
行きたいとこ考えておいて」
お皿を重ねながら言う俺に
「……本当に行く?」
と歩夢が心配そうに聞いた。
「ん。」
小さい頷く。
「………本当に?」
「…ん。」
大きく頷く。
「………………絶対?」
「………。行きたくなかった?」
「そ、そういうわけじゃなくて!
…その…嬉しくて………」
一生懸命言う歩夢が可愛くて
思わず笑ってしまった。
「俺もだよ、
歩夢と一緒にどこかに
行けるなんて嬉しいよ。」
歩夢の頭を小さく撫でながら言う。
――――きっとこれは 俺の癖。


