【完】ポケット-幼なじみ-







―――小さい頃一回だけ、短くしたことがあった。






でも―…

はる君が長い方がいい、って

言ったからその時から

髪の毛は肩から上まで切ってない






はる君はもう…

覚えてないかもしれないけど、








「昔さ、俺が歩夢に髪の毛
 伸ばせ、って言ったの覚えてる?」




―――嘘…、覚えててくれたの?







「…う、うん。」








「――あの時、なんで…

 伸ばせって言ったかわかる?」







「…わかん…ない」






ピタッと後ろのはる君の動きがとまった。






「…男の子みたいだったから、」





はる君が笑いながら言う。














「…なっ!ひど…」



と、後ろに顔を向けようとした瞬間―…






ぎゅっ、と後ろから抱きしめられて何も言えなくなった。






「……冗談。……歩夢は

 …昔も今も可愛いよ、」







恥ずかしくなるような台詞を

耳元で言われてさらに顔が熱くなった。








なんだか今日のはる君…変。






…いつもならこんなことしないのに。













―――――――――どうして?、




全てのことがいきなりで心臓が破裂しそうだよ。