【完】ポケット-幼なじみ-







「――俺…の。」


とはる君が耳元で呟く。




「…へ?」


とマヌケな声を出す私の顔を少し離す。







「シャンプー」







下から私の長い濡れた

髪の毛を細長いきれいな指で

さわりながら言った。




―――――――――ドキッ







その仕草に胸がなる。





「あ…、う、うん………」





すぅ、っと匂いを確かめてから

私の髪の毛に指をすべらせると

ポタ、とはる君の顔に

髪の毛から滴が落ちる。






「…髪の毛濡れすぎ。風邪引く。」




「…ご、めん」




と謝るとはる君は私のからだを

おこして自分も座りなおすと

私は何故かちょこんと

はる君の膝の上に座らせられた。