【完】ポケット-幼なじみ-





ゆっくりと中から医者が









出て来ておじさんが立ち上がる。





「……千夏はどうなったんでしょうか。」





とおじさんは

ゆっくり静かに聞いた。








「手術は成功し、
 一命はとりとめました。」


と医者が優しそうな目で告げる。







するとすぐに真面目な顔に変わり



「……しかし、」





と付け足した。








私とはる君は思わず息をのむ。



医者は言いにくそうに目を

反らしてから私達をみると


「―――意識が
 いつ戻るかわかりません。」



と言った。






ふらっと足元が

ふらつくのをはる君が支えた。






そんな――――…。



私ね……、千夏に伝えたいこと

たくさんあったんだよ――…?。




ねぇ、神様―――。




神様がもし存在したのならば、

今すぐ――

千夏の目を覚ましてください。