はる君に教わりながら難問を解く。
はる君の教え方は上手くて
数学が苦手な私でもよくわかる。
「はる君!解けたよ!…あってるかな?」
とノートから顔をあげる。
はる君と視線が重なり合う。
―――顔近いってば………
ぱっ、と私から視線をそらす。
「ノート貸して」
「――はい、」
と渡そうとしたらお互い指が触れる
――――――――――ドキンっ
動揺を隠せなくて思わず手を引く
バサバサバサ、
渡そうとしたノートと机の上にあった物が全て床に落ちる。
「…なにやってんの?……歩夢、大丈夫?」
そういいながら落ちた物を拾う
「え、っと……」
赤くなった顔を隠すために
耳にかけていた胸くらいまでの
長い自分の髪の毛をおろす。
―――――すると
はる君の長い指が私の髪の毛に触れた。


