【完】ポケット-幼なじみ-




「今言った通りにすれば出来るよ。」





「…えっ…あ、うん」






と再び教科書とノートに目をうつす





「ここは…まず数字を約分して」





言われた通りにして鉛筆を動かす




「そのあとにaとXも約分して
 残ったやつをさっきの
 数字と一緒にそのまま書く。


 じゃ次の問題もやってみ、」






数分後――






「で…出来た!!」








「簡単でしょ。

 歩夢は分数みただけで
 わからなくなるよな。」




と笑った。






「――ゔー、だって……」











と少しだけ頬を膨らませると


はる君は私の頭をポンポン、と叩く。









――――――これははる君の癖。









昔から何かあると

はる君は私の頭を撫でたりする。