心臓の鼓動がどんどんと速くなって、上手く呼吸が出来なくなってくる。
顔も息がかかってしまう距離で。
どうしても…動けない。
「………じゃあ、こうして?」
少しだけ、はる君の顔が離れる。
「俺、もう我慢出来ないとおもう。
俺、多分このままだったら
確実に歩夢に手、出す。
歩夢の気持ち知らないまま、いろいろするのはやだ。
だから今、歩夢にキスするから
もし、歩夢が俺のこと…嫌いだったら突き飛ばしてくれていいよ。
でも、もし歩夢が俺と同じこと思ってくれてるなら受け止めて。」
っ……そんなの……出来ない…
「……良い?」
はる君の真剣さが痛いほど、胸に突き刺さる。
頷きざるを得なかった。
だけれど、頷いたものの…気持ちはまだ、整理出来てなくて。
私は…どうすればいいんだろう。
ずっと、夢見ていた光景で。
せっかく、はる君と同じ気持ちなのに。
やっぱりどうしても…真井さんの存在が邪魔をして、考えたくないと思えば思うほど考えてしまう。
だけど……私は…………
近付いたはる君の顔に対して、私はそっと、目を閉じた――…。


