【完】ポケット-幼なじみ-




いきなり動きが止まったかとおもいきや、グッと近付く、男の子の顔。







キス……、される…っ?









ぎゅっと目をつぶっていると









「…やっぱ俺には無理だわ。」







そう耳元で聞こえて、結ばれてた手が自由になる。









「…え?」








なにが起きたかわからなくなって、思わず目を見開く。










「…早く服、元に戻しとけよ。」









そういって私の身体を起こしてくれる。









「アイツには…内緒な?

 もう、
 時間がねぇ…、早く行け。」








そういって男の子は親指でドアの方向を指した。







ふと、時計を見るとあと三分。









「…っ…ありがとう」










立ち上がり、それだけいって乱れた服も直さずに走った。









ただ、





一瞬でも諦めた自分を責め、






はる君と千夏にごめん、






って心の中で思いながら……。