「………行かせねーよ?」
後ろから聞こえた声と同時に悲鳴をあげる私。
「――きゃっ」
誰かに力強く、腕を引っ張られて、ベッドの上に倒れ込むように座る。
「いっ…た…」
腕を引っ張られた時にバランスを崩して、ベッドに倒れるときの衝撃を減らすためにとっさについた手の手首が捻ったらしい。
ズキズキと手首が痛みだす。
てか、誰…?
後ろを向こうとした瞬間――
「おっと。…あっぶね。
逃げられちゃ困るからね。」
視界が一瞬で暗くなって、何かでぎゅ、と縛られているような締め付け感が目の辺りにある。
「ねぇ…俺と…いいコト、しよ?」
耳元で聞こえたその声に、嫌な汗がツーッと頬を伝うのを感じた。


