【完】ポケット-幼なじみ-





「……っ……ない…」









空き教室を転々と回って、いろいろな場所を見て、鍵をさがすけど出てくる気配すら全くない。









少し……体力を使いすぎた。


体は疲れているのに気持ちだけが焦っていくばかりで。








「あと…20分しかない」







空き教室は数が多く、まだ半分も回れてない状態だった。











キラ、と突然光る何かが見えてその場所にと、屈もうとすると…
ひらり、と小さな紙がポケットから落ちる。










「…ん?…なに…これ、」










そういってその紙を見れば、いくつかの文字が並んでいた。










見覚えのある字と紙。









……ヒントの紙だ。










一枚、見落としてたんだ…。










そう思いながらそのヒントの紙に、目を通す。








“学校内での、恋愛スポット。”










紙にはそう書いてあって、学校内の恋愛スポットを考える。











屋上…は違うか。屋外だもん。








そんなとこ知らな…「わかった!」







思わず大きな声で言ってしまう。








すたっと勢いよく立ち上がって、その紙をにぎりしめながら、走ってその場所に向かった。