【完】ポケット-幼なじみ-









「……今なんて?」











思わず、歩夢に聞き返す。














俺の胸に顔を隠す歩夢は体温が高かった。












一日に二度もこんなにびしょ濡れになれば風邪も引くだろう。













きっと熱が出て、ぼーっとしてるだけ、だ。
















「……ぎゅって抱きしめて」













下から俺を見る歩夢は当然上目づかい。










「…はる君…、お願い。」









上目づかいなままぎゅっと手を掴まれて俺は耐え切れなくなり、抱きしめた。