「…あ…れ はる君の声がする…」 こっちを向いた歩夢の頬は涙の跡がついていた。 「俺のせいで……ごめん」 冷めたくなっていた髪の毛を撫で謝った。 「あ…本物のはる君だ…ぁ」 俺だと気付いたらしい歩夢はいきなり起き上がって、まだ寝ぼけた様子で俺に抱き着いた。 「あゆ…む?」 「…ずーっと待ってたんだぁ」 寂しそうに言う歩夢はいつもより小さく見えて。 久しぶりに触れる歩夢の身体はとっても華奢で、俺が強く抱きしめてしまえば折れちゃうじゃないかってくらいだった。 「……ね、抱きしめて?」