「……ん…んっ」








突然のキスに驚いて眠気も覚めて目を開ける。













「…ま…って……つ…っ」









唇を開いたら舌が入ってきた。









降り止まないキスに息が苦しくなって相手の身体を押す。











「せんぱ……んっ」








力が無くなりながら無意味な抵抗は戸塚先輩にはきかなかった。










ようやく唇が離れる。






「…っは…はぁ」









半押し倒されていた身体を肩で息をしながら立て壁に背中をくっつけ、よっ掛かる。








「………なんで。」







先輩はゆっくり重い雰囲気をかもしだしながら口を開いた。







戸塚先輩の言いたい事はなんとなく、――わかってる。









「歩夢ちゃんがこんなんでも
 助けに来ないじゃん…っ。」








――――――――ザァー…









……………雨が強まる。








雨が涙を隠してくれているはずなのに、先輩は良く私をみてたようだった。










「…俺だったら泣かさないよ?」







そっと先輩の手が私の顔まで伸びてくる。









「…俺にしとけって。」







そのまま引き寄せられて先輩の腕の中で意識を手放した――…