「噂によると女で どっかの社長の娘らしーよ?」 通りすがりの高原くんが横から口を挟む。 「…んで、金持ちだから前の学校で親の名前使って悪さしてたらしーし」 …なんでそんなところまで知っているんだろう。 やっぱり他校の女子と関わってるから、かな…。 「あ、やべ。授業始まるっ」 時計を見た輝くんが椅子をもとに戻して自分の席に帰っていった。 授業が始まっても、何故だか私はその転校生が胸の中で、引っ掛かってしょうがなかった。