「……あ。」







はる君が、何かを思い出したように言葉を発する。










「俺、あの日また倒れたらしく

 あの日のこと
 あんま…覚えてないや。




 でも……次の日、
 起きたら和田さんに言われた。




 歩夢が泣いて帰ってた、って」












その言葉にドキっと心臓が動く。









和田さんに見られてたの……?








恥ずかし…過ぎるよ、私。












「……なんかあった?」











ほんとに何にも覚えてないらしいはる君は頬杖をつきながら私に聞く。










そのしぐさにまた胸がキュンってなった。











「…いや、えっと…別に…」








わざわざ言うほどでも……ない、よね、








「…そ?なら、いーけど。」










はる君がふっと優しく笑うと同時に三時間の授業の担当の先生が入って来た。