「はる君……撮影は?」 「10分休憩。」 さらっとはる君は答え、顔をあげて私の顔を見た。 「…はなして…っ」 「…なんで…んな顔してんの」 はる君が、洋服の袖で私の涙を拭く。 「はる君には…関係ないよっ」 こんなの私らしくない。 また、強がってしまった。 なんではる君の前じゃ素直になれないんだろう。 「ふーん、俺が女優とキス してたからじゃないんだ?」 はる君に言われたことが図星で恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまった。