【完】ポケット-幼なじみ-






涙は止まらなくて、泣きながら歩いた。








すれ違う人に変な目で見られたけど、止まらないんだから仕方ない。













「……あゆむっ」












まさかと思って、








振り返ると後ろから








はる君が追いかけて来ていた。











やだ………………来ないで…









そう思って再び走る。










一生懸命走ってもはる君と私の距離は縮んでいく。












「……わっ」









下にあった石に躓いて草の上に転ぶ。









「い…っ」









転んだ場所が、坂になっていたため軽く下へゴロゴロと転がる。












動きが急に止まったと思ったら








はる君が上から覆いかぶさる










ような形で私を抱きしめた。