【完】ポケット-幼なじみ-




地図をたよりに歩いていると土手みたいなところに着いた。






ここのはず…なんだけど…な。







もらった地図を見て考えながら服の袖をまくる。












秋なのに意外と暖かくて、ちょっと動けば汗かいちゃうほどだった。















風が紅葉をゆっくりと落としていく。











散った紅葉は咲くように川の水面へと落ちる。









川の水面には紅葉の葉のすき間に陽が当たって、動くたびにきらきらと光り、眩しい。








その時だった。








「カットカットー――…」










奥の方から声が聞こえ、声が聞こえた方へと歩くとカメラを持った人やメイクアーティストさんらしき人が見えた。











「うーんー…。
 水瀬、今日調子悪いなー…
 昨日の今日だし…大丈夫か?」








……今、水瀬って言ったよね?










………はる君?