それから寝て、起きた時には
やっぱりもうはる君はいなかった。
まだ…完璧には熱も下がっていないはずなのに。
一生懸命過ぎるよ………
そう思いながら、何もすることがない私はベッドの上でごろごろとただ、寝転がっていた。
「そうだっ」
と急にひらめいて、素早く上半身を起こす。
そういえば昨日、和田さんに名刺と今日の撮影場所の地図をもらったんだった。
……はる君の様子見に行こう。
体調もまだ完全には良いわけじゃないし、一度だけ、一度だけ……見たかったんだ。
………はる君の生の演技。
テレビでも見るつもりだけど実物のが面白いもん。
だけど…迷惑………だったらどうしよう。
はる君の体調が良さそうだったら、静かに帰ってくればいいよね。
素早く支度をして部屋を出た。
だけど、この時行かなければ良かったのかもしれない。
でも、
後悔してからはもう遅い―――。


