「………すー…」
…はる君が、寝てしまったから。
やっぱりはる君も体調悪いし……
え、でもしっかり足ではさまれてるんだけどどうしよう……
……完全、抱きまくら扱いだよね?
色々やらなきゃいけないこともあるし動きたいけど動いたらはる君、起きちゃうし……
…………仕方ない、よね?
このままでいよう。
本当は、はる君に抱きしめられて嬉しかったもう一つの私は秘密。
風邪うつってもいいかな、なんて軽く考えながら。
だけど――…
もしこの時、しっかりと
聞いとけばはる君とあんな事に
ならずに済んだのかな――…
どこかの旅人のように、
道を間違えたのかもしれない。
戻りたいけれど、知らない道には
“戻れない―――――…”


