【完】ポケット-幼なじみ-

――――――…


――――…





「……歩夢?」





はる君の声が聞こえるけど、目が開かない。








これは――――――夢?







それとも現実?




まだ……私が寝ぼけているだけ?







「…寝てたら…
 今はまだ別にいいや。

 …でも、
 起きてたら…聞いといて。」







そういって、はる君は話し出す。








「……俺、――歩夢のこと
 小さい時からずっと好きだよ」








さらっと髪の毛を触られるような感じがして、動こうと思ったけれど何故だか…身体は全く、動かない。







やっぱり、夢…………?







「……幼なじみとか、
 そういう好きじゃない。

 一人の女の子としてだから。」




頭にあった手が無くなって、頬には温かくてやわらかい何かが触れる。






「……おやすみ、歩夢。」




最後にポン、って頭を撫でられ




はる君の気配が無くなり、私は






もう一度深い夢の中に入った。