【完】ポケット-幼なじみ-





「歩夢………?」







はる君が私の顔を覗こうとする。







「な、なーんて嘘。今のは
 聞かなかったことにして?」





そういいながらはる君から離れる。






「俺は――――、」






はる君の言葉を遮るようにパッといきなり電気がつき始める。










…ねぇ、今なんて言おうとした?






そんなこと聞けるはずもなく、







ただ誤魔化すように




「……風呂行っておいで?」





と言った。







「…………ん。」







はる君はそういいながら私に背を向けた。