【完】ポケット-幼なじみ-






「はる…君」








抱きしめられてる背中はちょっぴり冷たいけど、私にとってはとても暖かく感じた。







安心して涙が溢れ出す。







「久しぶり。」






数ヶ月ぶりに聞くはる君の声。








「はる君っ、」







首にあるはる君の手に触れる。







きっと……雨の中、走って来てくれたんだ。









沢山濡れてる………………









「風邪、引いちゃうよ……?」








私が言うとはる君は






「んー。だけどもうちょっと
 このままでいさせて……?」







なんて甘い声を出すから、何も言えなくなってしまう。








本当に久しぶりに感じるはる君の体温。









私ももう少しだけ感じたくて目をつぶった。