歩夢side―― 鳴りやまない雷は容赦なく私に恐怖感をあたえる。 その時だった―――――。 玄関のドアがカチャカチャと音を立てる。 もしかして……泥棒……………? はる君が帰って来るわけない。 どうしよう………… 静かに膝を立てながら座っていると玄関の扉がキィ、と開いた。 …………誰?……来ないで、 耳を両手で塞ぎながら震える身体。 どうすればいいの――――? 「あゆむっ」 後ろで私の名前を呼ぶ、優しい声。 振り返ろうとするとぎゅう、っと後ろから抱きしめられた。