「一発OKだー。」 そう言った瞬間、わぁぁあと歓声があがる。 「水瀬、良かったぞー」 監督に褒められてありがとうございます、とお礼を言う。 「じゃあ、このあとは自由だー そこのホテルも借りているから」 片付けをしながら言った。 「―――監督、俺帰ります。」 と一方的に告げると 「泊まってけばいいのに――」 と言われた。 「俺を待ってる子がいるんで」 と微笑みながら言うと監督は何も言わず笑いながら俺にグーを作った。 「失礼します――――」 ペコッと頭を下げるなり走って駅に向かった。