【完】ポケット-幼なじみ-





「他に何も…されてない?」









はる君が私の耳元で聞いた。









こくん、と小さく頷く。







「…よかった。何も無くて…」






少しはなれて、私の顔をみてから




私の胸に顔を埋めた。








胸の鼓動、





き、聞こえちゃうって…っ!








この状況に耐え切れ無くて






目をぎゅっとつぶっていたら







はる君は私の頭を優しく撫でて








「………帰ろっか。」と呟いた。







「う、うん…」








はる君が私をはなして先に立ち上がって自分の手を差し出した。








「…ありがと」





手を借りながら立ち上がって言った。











静かになった街の星空の下で私は










自分の気持ちに気付いたんだ─…。