【完】ポケット-幼なじみ-





「…っごめ…んなさ…」




涙をぽろぽろと流しながら何故か謝られた。





「……ん?…なにが?」




と問いながら






歩夢の涙を指で拭いていく。










「せっかく…はる君が

 誘って…くれたのに……



 …熱出すなんて…………」







……あぁ、そういうことか。






「…今は余計なこと

 考えないで早く寝て治せ。」








歩夢の頬を優しく

横に引っ張りながらいった。







「……でも、久しぶりに

 はる君が誘ってくれたのに。」






歩夢が、こほっと小さく咳込む。





「…またいつでも

 誘ってやるから、……な?」






軽く微笑みながら言うと




歩夢は約束、っていうかわりに




小指を差し出してきた。






そんな歩夢を見て俺はクスッと

笑うと静かに指切りした。