ぎゅっ、


 今度は、紫苑の問いに応える様に、サクラは紫苑の黒い外套を掴んだ。


(?)


「…どこにでも、つれていってくれるんでしょ?」


 サクラは掴んだ小さな手を離さない。


 紫苑もサクラの手を離さなかった。


 

くゆる煙は、迷う事なく空へと、舞い上がった。





  [完]