(…他に人の気配はないな…)
 

部屋の中は、桜色のカーテンに、白い木調の机、天蓋付きの白いベッドには桜模様のカバーが掛けられ、彩り豊かな縫い包み。


一目でこの部屋が子供部屋だと分かる。


「ここは、君の部屋?」


用意された椅子に腰掛け、紫苑は少女に尋ねた。

椅子は白い木目調、部屋の机とお揃いの物だろう。


「はい。パパは今でかけてていないので、かえってくるまでここでまっててください」

「パパ…?」


(橘の娘!?ーまさか…)


紫苑はあらゆる推測を用意した。


「…君は、橘さんの娘さんかな?」