「……千尋、今日ってどこに行くの?」 平然とそう言ったけど、内心はバクバクしていた。 橘くんのこと、名前で呼んじゃったよ。 私、変じゃなかったかな?おかしくなかったよね? そんな事ばかりが頭を巡った。 「千尋?」 なんの反応も示さない橘くんの名前をもう一度だけ、ドキドキしながら呼んだ。 もう。 橘くん。お願いだからなにか反応して!