やっぱり。 これ以上は橘くんと一緒にいたら駄目だよ。 また。 橘くんにキスなんかされたら、本当のことを言ってしまいそうになる。 私は、由菜じゃないって……言っちゃいそうになるよ……っ。 「由菜!」 その声に顔を上げると、近寄ってくる橘くんの姿。 橘くんが目の前に来るとベンチから立ち上がった。 「よかった」 私の姿を見て、橘くんはなんだかホッとした様子。